
はじめに
こんにちは、【kanatoの資産構築研究所】のKanatoです。
先日の「投資信託定点観測 2026年4月版」では、NISAつみたて投資枠・NISA成長投資枠・旧NISAに分けて、私の投資信託ポートフォリオをまとめました。
実際の運用状況を見る前に、「そもそもつみたて投資枠と成長投資枠は何が違うのか?」という前提を押さえておくと、月次記事の内容もより読みやすくなります。今回は、新NISAの2つの枠について、制度上の違いと実際の使い分けの考え方を整理します。
特定の商品をすすめる記事ではなく、NISAを理解するための基礎知識として読んでいただければと思います。
1. 新NISAは「2つの枠」をどう使い分ける制度なのか
2024年から始まった新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを同時に利用できます。
年間の投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合計360万円まで投資できます。非課税保有期間は両枠とも無期限で、2023年までのNISAと比べて大きく拡充されました。
生涯の非課税保有限度額は合計1,800万円ですが、成長投資枠だけで使える上限は1,200万円までです。つみたて投資枠は、1,800万円の総枠を超えなければ使い切ることができます。
なお、NISA口座で商品を売却した場合、売却した商品の取得金額(簿価)分だけ、非課税保有限度額が翌年以降に復活します。時価ではなく簿価で計算される点と、当年の年間投資枠が増えるわけではない点は、最初に押さえておきたいルールです。

2. つみたて投資枠の特徴
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資を目的とした投資信託等を積み立てるための枠です。
対象商品は、金融庁に届け出られた一定の投資信託等に限られています。2026年5月11日時点では、指定インデックス投資信託282本、それ以外の投資信託63本、ETF9本が対象として届け出られています(金融庁 つみたて投資枠対象商品届出一覧より)。
個別株や多くのETF・REITを自由に買う枠ではありませんが、選択肢が限られている分、初めてNISAを使う人にとっては入り口として考えやすい面があります。積立投資に向いた設計のため、毎月一定額を自動的に買い付けるスタイルと相性がよいです。年間120万円の枠なので、月10万円の積立でほぼ使い切るイメージです。
ただし、「つみたて投資枠の商品だから安全」という意味ではありません。投資信託は価格が変動するため、元本割れの可能性もあります。
3. 成長投資枠の特徴
成長投資枠は、つみたて投資枠よりも投資対象が広い枠です。上場株式、投資信託、ETF、REITなどが対象になります。
一括投資にも積立投資にも使いやすく、つみたて投資枠では対応しにくい商品を組み合わせたい場合の選択肢となります。高配当株やETF、債券ファンド、ゴールド関連ファンドなどを使いたい場合も、まず成長投資枠の対象商品かどうかを確認する流れになります。
ただし、すべての商品が対象になるわけではありません。以下は成長投資枠でも購入できません。
- 整理銘柄・監理銘柄
- 信託期間20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- デリバティブ取引を用いた一定の商品等
対象商品は、資産運用業協会や各証券会社の取扱リストで確認する必要があります。自由度が高い分、商品選びの確認作業も伴います。
4. つみたて投資枠と成長投資枠の違いを比較表で整理
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯非課税保有限度額 | 総枠1,800万円の範囲内 | 総枠1,800万円のうち1,200万円まで |
| 対象商品 | 長期・積立・分散投資向けの投資信託等 | 上場株式、ETF、REIT、投資信託等 |
| 投資方法 | 基本は積立投資 | 積立投資・一括投資の両方に対応 |
| 向いている場面 | 毎月コツコツ積み立てたい場面 | 幅広い商品・まとまった資金を投資したい場面 |
| 注意点 | 対象商品が限定される | 対象外商品あり・商品確認が必要 |

補足いたします。NISAの非課税メリットは、売却益・配当・分配金に対する税がかからない点にあります。ただし、元本が保証される制度ではありません。また、NISA口座では損益通算や損失の繰越控除ができない点は、特定口座との大きな違いです、事実として。
5. 初心者・積立派・高配当株派で考える使い分け
投資初心者の場合、まずはつみたて投資枠を中心に考えると整理しやすいです。商品の選択肢が絞られているため、「何を選べばよいかわからない」という状況を避けやすくなります。ただし、それだけが正解というわけではありません。
インデックス積立派の場合も、つみたて投資枠が土台になります。月10万円の積立でほぼ年間120万円の枠を使いますが、それ以上に積み立てたい場合は、対象商品であれば成長投資枠の活用も検討できます。
高配当株やETF、REITも使いたい場合は、成長投資枠が候補になります。ただし、配当や分配金に注目すると価格変動リスクを見落としやすくなる点は、整理しておくとよいと思います。
まとまった資金を投資したい場合も成長投資枠が対応しやすいですが、投資のタイミングや分散の方法は、自分のリスク許容度に合わせて考える必要があります。
6. kanatoの資産構築研究所としての考え方

ホー、kanato理事長!2つの枠の使い分けというのは、目的を先に決めることがポイントですぞ。「毎月積み立てる資金はつみたて投資枠で、幅広い商品を使いたい部分は成長投資枠で」という役割の整理があれば、どちらを使うかで迷いにくくなりますな!
私の場合、NISAは「まず積立の土台を作り、必要に応じて成長投資枠で選択肢を広げる」という位置づけで捉えています。
つみたて投資枠では、全世界株式や米国株式のインデックス投信を毎月積み立てる。成長投資枠では、バランスファンドや債券系ファンド、ゴールド関連ファンドなども組み合わせる。同じNISAでも役割を分けると、管理しやすくなります。
ただし、これは私の運用方針の一例です。NISA枠を満額使うことを目的にすると、リスクを取りすぎる可能性もあります。「自分の投資額や資産配分に合っているかどうか」を基準に考えることが大切だと思います。
おわりに
新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠は、どちらかを選ぶ制度ではなく、役割を分けて併用できる制度です。
つみたて投資枠は長期・積立・分散の土台、成長投資枠は投資対象や方法の選択肢を広げる枠。この整理を持っておくと、実際の運用状況を見るときにも判断の軸が立ちやすくなります。
制度の違いを押さえておくと、投資信託定点観測の月次記事で扱っている「なぜこの商品はつみたて投資枠で、こちらは成長投資枠なのか」という部分も読みやすくなります。今後も月次記事を通じて、NISA枠の使い方や運用の変化を継続的に記録していきます。

それでは、良い資産構築ライフを!


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