【資産構築ご相談】貯金150万円の28歳、新NISAで始める資産構築モデルケース2026

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結局どうすればいいの? ── 先に答えを言います。「生活防衛資金(手取りの6か月分)だけ預金で確保したら、残りは新NISAのつみたて投資枠で“全世界株インデックス”を毎月コツコツ積み立てる」。これが、20代の投資初心者にとっていちばん再現性の高い答えです。

この記事では、よくあるご相談を1件、モデル事例としてお預かりします。あなたなら、この28歳にどんなアドバイスをしますか? まずは“あなたの答え”を頭の片隅に置いてから、研究所の「答え合わせ」を読んでみてください。

はじめに

「毎月ちゃんと貯金しているのに、このままで将来は大丈夫だろうか」──そんな漠然とした不安は、20代の終わりごろにふと訪れます。今回お預かりしたのは、まさにその入り口に立った28歳・会社員の方からのご相談です。

この記事は、特定の個人ではなく匿名化したモデル事例として構成しています。同じように「貯金はある、でも投資はゼロ」という方が、自分の状況に置き換えて読めるよう、収入は手取り(可処分所得)ベースで整理しました。読み終えるころには、「最初の一歩をどの順番で踏み出せばいいか」がはっきり見えるはずです。

フクロウ博士が28歳の会社員に資産形成をアドバイスするイラスト

1. ご相談(ビフォー)── 28歳・会社員Aさんの場合

まずは、相談前の状況(=ビフォー)を整理しましょう。

項目Aさんの状況
年齢28歳
職業会社員(企業年金なし)・独身・首都圏でひとり暮らし
手取り月収約23万円(+ボーナス手取り 年約40万円/年間手取り 約316万円)
毎月の貯蓄約5万円(すべて普通預金。投資は0円)
金融資産約150万円(ほぼ全額が普通預金)
NISA口座未開設
悩み「貯金だけで将来大丈夫?」「損が怖くて投資に踏み出せない」
コミツ
コミツ

コミツです。これ、すごく“あるある”ですよね。毎月5万円も貯められてるのは立派なのに、150万円が全部ふつうの預金で眠ってる……。博士、Aさんはどこから手をつければいいんですか?

フクロウ博士
フクロウ博士

ホー、いい着眼点ですな、コミツくん。Aさんには「貯める力」がすでに備わっているのですな。あとはお金の“置き場所”を少し変えるだけで、その働き方は大きく変わるのでしてな。さあ、ひとつずつ「答え合わせ」をしていきましょう。

2. 答え合わせ①── まず「生活防衛資金」を確保する

いきなり投資を始める前に、最初にやることがあります。生活防衛資金の確保です。

生活防衛資金とは、病気・ケガ・失業など“もしも”のときに生活を支えるお金のこと。投資に回さず、いつでも引き出せる預金で持っておきます。目安は手取りの3〜6か月分。会社員で収入が比較的安定しているAさんなら、まずは6か月分 ≈ 約138万円(手取り月23万円 × 6か月)を基準にしましょう。

Aさんの預金は150万円。つまり、次のような仕分けになります。

  • 約138万円 → 生活防衛資金として預金で死守(このお金は投資に回さない)
  • 残り十数万円+毎月の余力 → 投資へ
アルセド監査官
アルセド監査官

念のため、私から補足を。「6か月分」という基準は、人によって振れます。収入が不安定な方や扶養家族がいる方は多めに、支出の小さい方は少なめでも構いません。本当の基準は“いくらあれば自分が安心して眠れるか”です。138万円は、あくまでモデル値として捉えてください。

3. 答え合わせ②── 新NISAの「つみたて投資枠」で全世界株を積み立てる

生活防衛資金を確保したら、いよいよ投資です。初心者がまず使うべきは、新NISAつみたて投資枠です。

新NISAの枠(2026年)

年間の投資上限特徴
つみたて投資枠120万円長期・積立・分散に向く投資信託が対象
成長投資枠240万円個別株なども買える
年間合計360万円──
生涯の非課税限度額1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)非課税期間は無期限

※2026年も枠の数値は前年から変更ありません(出典:金融庁 令和8年度税制改正資料)。

初心者がまず手をつけるべきは、迷わずつみたて投資枠。Aさんの毎月の積立額なら、この枠だけで十分すぎるほど余裕があります。

何を買う?──全世界株(オルカン)インデックスが王道

つみたて投資枠で買う中身は、全世界株式のインデックス投資信託(いわゆる“オルカン”)が王道です。理由はシンプルで、次の3点です。

  1. 1本で世界中の企業に分散投資できる(リスクが1社・1国に偏らない)
  2. 運用コスト(信託報酬)が非常に低い
  3. ほったらかしでOK(毎月自動で積み立てる設定にするだけ)

「米国だけに集中したい」という方は S&P500インデックスも人気の選択肢です。過去の長期リターンは高いものの、値動きは全世界株よりやや大きめ。“世界まるごと”の安心感を取るなら全世界株、“米国の成長”に賭けるならS&P500、と覚えておけば十分です。初心者はまず全世界株1本から、で構いません。

新NISA
コミツ
コミツ

なるほど〜。「どの株を選ぶか」じゃなくて「世界まるごとを1本で買う」んですね。これなら銘柄選びで悩まなくて済む!

4. 答え合わせ③──「損が怖い」への処方箋

Aさんが踏み出せなかった最大の理由は「損が怖い」でした。実はこれ、人間の脳のクセに根ざしています。

行動経済学では、人は同じ金額でも「得した喜び」より「損した痛み」を約2〜2.5倍強く感じることが知られています(損失回避バイアス)。だから「1万円増える可能性」より「1万円減る怖さ」のほうが大きく見えて、足がすくむのです。

この“怖さ”への処方箋は2つあります。

  • ① 時間を味方につける(長期):短期的には上下しても、世界経済の成長とともに長期では右肩上がりが期待できる。20代という時間そのものが、最大の武器です。
  • ② 買うタイミングを分散する(積立):毎月一定額を自動で買い続けると、価格が高いときは少なく・安いときは多く買えるため、平均購入単価がならされます(ドルコスト平均法)。「いつ買うか」で悩む必要がなくなります。

つまり、「全世界株を・毎月一定額・長く」積み立てるという方法そのものが、損失回避バイアスへの最も実務的な答えなのです。

アルセド監査官
アルセド監査官

私から一点、指摘させてください。長期・積立・分散は、リスクを抑えて勝率を高める方法であって、“元本割れしない保証”ではありません、事実として。だからこそ、生活防衛資金を先に確保する順番が効いてきます。守りを固めてから攻める——この順序を、逆にしないことです。

5. ビフォーアフター──毎月3万円を30年積み立てたら?

ではいよいよ、Aさんの「アフター」をシミュレーションしてみましょう。

前提は、毎月5万円の貯蓄のうち、3万円を新NISAのつみたて投資枠へ・2万円は預金に上積み。投資分を28歳から58歳までの30年間続けたケースです。積立元本は、3万円 × 12か月 × 30年 = 1,080万円になります。

リターンは将来を保証できないため、保守的なものを含む3つのシナリオで見てみます。

想定利回り(年率)30年後の評価額(概算)増えた分(評価額−元本)
3%(かなり保守的)約1,748万円約 +668万円
5%(標準シナリオ)約2,497万円約 +1,417万円
7%(参考・強気)約3,660万円約 +2,580万円

※月次複利・毎月末積立で計算した概算です(毎月3万円・30年=360回)。過去の長期平均をもとにした“想定”であり、将来の利回りを保証するものではありません。

※参考までに、米国株(S&P500)の長期リターンは名目(ドル建て)で年率約10%、インフレ調整後で6〜7%とされます。本記事では初心者向けに、あえて保守的な前提(標準5%)を主軸に置いています。

同じ「毎月3万円」でも、ただ預金するだけなら30年で1,080万円のまま(金利はほぼ無視できる水準)。標準シナリオなら、その差は約1,400万円にもなります。これが「お金に働いてもらう」ことの効果です。

フクロウ博士
フクロウ博士

ここがいちばん大事なところでしてな。効いてくるのは“金額の大きさ”そのものより、「20代から始めた」という時間の長さなのですな。同じ毎月3万円でも、10年遅れて始めれば複利の効きはまるで変わってくるのですぞ。最強の一歩は、今日、口座を開くこと——これに尽きますな。

6. 次の一歩──iDeCoはいつ検討する?

「NISAの次」としてよく挙がるのが iDeCo(個人型確定拠出年金) です。掛金が全額所得控除になる強力な制度ですが、原則60歳まで引き出せないという制約があります。

Aさんのように投資をこれから始める段階では、まずは引き出しの自由がきく新NISAを優先し、家計に余力が出てきたらiDeCoを足す、という順番がおすすめです。

なお、iDeCoは2026年12月の制度改正で会社員(企業年金なし)の掛金上限が月23,000円 → 月62,000円へと大きく引き上げられる予定です(2027年1月の掛金分から適用)。将来「もっと積み立てたい」となったとき、選択肢が広がっているのは心強いですね。

まとめ:始める順番

  1. 生活防衛資金(手取り6か月分)を預金で確保
  2. 新NISA口座を開設し、つみたて投資枠で全世界株を毎月積立
  3. 家計に余力が出たらiDeCoも検討(2026年末に会社員枠が拡大予定)

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おわりに

Aさんのご相談を振り返ると、特別なことは何もしていません。「生活防衛資金を先に確保し、残りを新NISAで全世界株に積み立てる」──たったこれだけです。難しい銘柄選びも、相場を読むタイミングも必要ありません。

20代の最大の武器は「時間」です。毎月3万円という無理のない金額でも、30年という時間をかければ、お金は静かに、しかし確実に働いてくれます。「損が怖い」という気持ちは自然なもの。だからこそ、守り(生活防衛資金)を固めてから、長期・積立・分散でゆっくり攻める。その順番さえ守れば、投資はぐっと怖くなくなります。

まずは証券口座を開く──その小さな一歩が、30年後の大きな差につながります。

それでは、良い資産構築ライフを!

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