【2026年4月 WID定点観測】25蒸留所・評価1,084万円——Borders乗り換えの顛末

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はじめに

こんにちは、【kanatoの資産構築研究所】のKanatoです。

今回は、私がサテライト投資の一角として保有しているウイスキー原酒(スピリッツ)のLPA(リットル・純アルコール)単位の所有権——WhiskyInvestDirect(以下、WID)のポートフォリオを久しぶりに俯瞰してみたいと思います。

WIDは日々の相場を追う必要がなく、樽の中でじっくりと熟成が進む「手離れの良い長期保有資産」として、私のポートフォリオの中では独自の位置づけを担っています。今回の記事では、2026年4月26日時点のポートフォリオ全体像に加え、3月に発生したBorders蒸留所への一括買付(Bulk Trade Bid、以下BTB)対応と、その売却資金を使った新規乗り換え購入の顛末をリアルな数値でご報告します。

WIDダッシュボード(Account Balance画面、2026年5月1日時点)

WhiskyInvestDirect

1. 25蒸留所・6,328 LPA——ポートフォリオの現在地

2026年4月26日時点のサマリー

まず全体像から確認します。2026年4月26日時点の参考評価額は£50,247.74。£1=215.65円換算で約1,084万円です。内訳はマルトウイスキーが£49,743.04、口座内キャッシュが£504.69で、グレーン(穀物系)は現在ゼロ。保有する全銘柄がシングルモルトのカテゴリーです。

保有LPAは6,328 LPA、蒸留所数は25カ所。複数のヴィンテージ・樽タイプに分散して保有しており、スコットランド各地の蒸留所の原酒が現在ボンデッドウェアハウスで静かに熟成を続けています。

参考まで、2025年末時点の評価額は£49,422.51(約1,044万円、£1=211.11円)でした。2026年4月末にかけて、ポンド建てで+£825.23(+1.67%)、円換算では約+40万円の評価増となっています。

蒸留所別・参考評価額ランキング(上位8蒸留所)

蒸留所LPA参考評価額シェア(概算)
Caol Ila500£10,385.00約21%
Kirkcowan770£4,465.59約9%
Glen Moray680£4,235.62約9%
Inchgower549£3,630.01約7%
Glenlossie570£3,403.80約7%
Tullibardine413£2,688.67約5%
Strathenry378£2,604.48約5%
Glen Elgin310£2,025.02約4%

(評価額はすべてWIDプラットフォーム上の参考値。実売収益とは異なります。上位8蒸留所でモルト評価額全体の約67%を占めています)

アルセド監査官
アルセド監査官

補足いたします。この参考評価額はWIDプラットフォームの提示価格であり、実際に売却した場合は手数料1.75%が差し引かれます。最大ポジションのCaol Ilaで試算すると、£10,385×98.25%≒£10,203が実手取りの概算です。加えて、保管コスト(£0.227/LPA/年)が6,328 LPA全体に継続発生している点も留意が必要です、事実として。

2. ポートフォリオの”顔”——Caol Ilaという大型ポジション

全体の21%を担うアイラのシングルモルト

ポートフォリオ全体の中で最も存在感を放つのが「Caol Ila 2020 Q1 Refill hogshead」です。保有LPAは500 LPAで、参考評価額は£10,385(約224万円)。モルト評価額全体の約21%を、この1ビンテージ1銘柄が占めています。

購入時の取得単価は£3.93/LPA(購入費・手数料込み)でした。現在の参考価格は£20.77/LPA——取得単価比で約5.3倍の水準です。保管費を含む総コスト(約£2,645)に対する参考評価額(£10,385)は約3.9倍で、含み益は£7,740(保管費累計込み)となっています。

集中リスクと長期熟成の方針

1銘柄でポートフォリオの21%という集中度は、分散投資の観点では高めです。ただ、WIDの特性として「BTBが入ったときが出口のチャンス」であり、Caol Ilaのような流動性の高い銘柄はその機会が比較的来やすい部類に入ります。今後のBTBの動向を注視しつつ、基本的には熟成を待つ方針です。

フクロウ博士
フクロウ博士

ホー、kanato理事長!ウイスキー投資の醍醐味は「時間が資産を育てる」ことにありますぞ。株や債券は毎日相場が動きますが、樽の中でゆっくりと熟成するウイスキーはそもそも毎日確認するものではありませんな。手を離した後に時間が働いてくれる——それがサテライトとしての真骨頂ですじゃ。Caol Ilaが6年で取得単価の約5倍水準に育ったことは、まさに「待つ」という戦略の結果ですぞ!

3. Borders蒸留所——BTBから乗り換えまでの全記録

3月のBulk Trade Bid——即決の判断

3月、WIDから突然のBTBオファーが届きました。対象は私が保有していたBorders Single MaltのFirst fill bourbon 2銘柄です。

銘柄保有LPABTB価格グロス売却額
Borders 2018 Q3 First fill bourbon50 LPA£8.09/LPA£404.50
Borders 2020 Q3 First fill bourbon50 LPA£6.64/LPA£332.00
合計100 LPA£736.50

手数料1.75%を差し引いた実手取り概算は£723.61です。BTBはUnconditional(無条件成立)の状態で、3月17日の締切までに承諾すれば確実に現金化できる機会でした。即決でAcceptを選択しました。意思決定の経緯は以下の記事で詳しくご覧いただけます。

【実物資産投資】WhiskyInvestDirectでの出口戦略:突然のBulk Trade Bid(一括買付)への対応とリアルな収支
WhiskyInvestDirect(WID)で突然届いた一括買付オファー(Bulk Trade Bid)への対応を解説。流動性の低いウイスキー投資におけるリアルな売却収支や、手数料割引を活用した再投資戦略をフクロウ博士とアルセド監査官が事実ベースで検証します。

乗り換え先——2023 Q1 Refill bourbonへの再投資(4/16)

BTBに応じた特典として、次の購入にかかる手数料が通常の1.75%から0.5%に割り引かれました(期限:2026年4月16日22時JST、上限:売却額相当分)。この手数料優待を活かし、4月16日に同じBorders蒸留所の別ビンテージ・別樽タイプを購入しました。

項目内容
銘柄Borders 2023 Q1 Refill bourbon
購入LPA25 LPA
取得コスト(手数料0.5%込み)£126.89
参考評価額(4/26時点)£126.45
参考価格£5.058/LPA
含み損(保管費累計込み)△£18.15
想定保有目標年2034年

現時点では含み損が発生していますが、これは購入直後のスピリッツ(原酒)です。ウイスキーとして認められる最低3年の熟成期間を経てから市場価値が付きはじめる性格の資産であり、現在の含み損は想定の範囲内です。

今回あえてRefill bourbonを選んだ理由のひとつは「流動性の観察」です。旧ポジション(First fill bourbon)はFirst fillとしての早熟プレミアムがある一方、Refill bourbonに対してBTBがどのタイミングで、どの水準で入るかは現時点では未知数です。小規模ポジション(25 LPA)で保有しながら流動性の動向を見る、実験的な意味合いも持たせています。

アルセド監査官
アルセド監査官

補足いたします。First fill bourbon(バーボン等の初回充填後の樽)とRefill bourbon(スコッチを一度熟成した再使用樽)では、業界の評価に差があります。WIDの説明によれば、First fill casksは若いうちから多くのフレーバーを付与するため一般的にプレミアムが付くとされています。Refill bourbonは木の影響が穏やかで長期熟成向きですが、Bulk Trade Bidの入りやすさ、すなわち流動性の面ではFirst fillに劣る可能性があります。今回のポジションはその点も含めた観察目的として位置づけていることを確認しています、事実として。

4. 円安という”追い風”——ポンド建て資産の今

WIDはポンド建て資産です。2025年末時点で£1=211.11円だったレートは、2026年4月26日時点で£1=215.65円まで上昇しました。この為替変動だけで、評価額に約22万円の押し上げ効果が生じています。ポンド建て価格の上昇分(約18万円)と合わせると、2025年末比の円換算増加額は合計約40万円(¥10,433,586 → ¥10,835,925)となります。

もちろん、円高に振れれば評価額は逆方向に動きます。ただ、ウイスキー原酒そのものの価値はポンドで積み上がっていく構造のため、日本円建て資産への集中から見た「通貨分散」機能は引き続き有効に機能しています。

おわりに

今回は久しぶりにWIDポートフォリオを俯瞰してみました。25蒸留所・6,328 LPA・参考評価額約1,084万円——数字だけ見ると「随分育ったな」という感慨があります。

Borders蒸留所については、BTBによる旧ポジション売却と新Refill bourbon購入という一連の動きを経て、新たなフェーズに入りました。現在は購入直後の含み損ポジションですが、2034年を目標に樽の中で静かに育ってもらう予定です。Refill bourbonへのBTB動向については、折りを見てレポートしていきます。

Caol Ilaを中心に、他の蒸留所についても引き続き熟成待ちのステージが続いています。WIDは「何もしない」が正解の時間が長い投資です。今年も静かに、しかし着実に。

それでは、良い資産構築ライフを!

WhiskyInvestDirect

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