2009・2010年ボルドープリムール、15年後に棚卸し——9本の現在価値と今後の判断

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はじめに

こんにちは、【kanatoの資産構築研究所】のKanatoです。

「プリムール」という言葉を最初に知ったのは、15年以上前のことです。本だったか、雑誌だったか、コミックスだったか——正直もう覚えていません。ただ、「ボルドーワインには、まだ樽の中にある段階で先物買いできる仕組みがある」という説明に、妙に惹かれたことは覚えています。この仕組みはボルドーにしかない、と書いてあったことも。

ワインが好きだったこともあります。それに、なんとなくかっこいい響きがありました。プリムール。先物。ボルドー。

2011年に実際に購入してみました。2009年ヴィンテージと2010年ヴィンテージを合わせて10本、取得コストは約10万円。ワインセラーに入れたまま、気がつけば15年が経っていました。今回、初めてちゃんと「資産として」棚卸しをしてみます。


1. プリムールという仕組みについて

ボルドーだけに根付く先物購入制度

プリムール(en primeur)とは、ワインが樽で熟成している段階——収穫翌年の春ごろ——に、試飲評価をもとに予約購入できる制度です。手元に届くのは2〜3年後ですが、その分、正式リリース前の価格で仕込めることがあります。

この仕組みが商慣習として定着しているのは、世界でもボルドーだけと言われています。それがこの制度に最初に興味を持った理由でもありました。

2009・2010年という特別なヴィンテージ

購入した2009年と2010年は、ボルドーにとって記念碑的な当たり年が2年続いた時期です。2009年はサン・テステフ地区でヴィンテージポイント99点という記録的評価を受け、2010年もパーカーポイント100点を獲得したシャトーが複数出た、異例の連続優良ヴィンテージでした。

アルセド監査官
アルセド監査官

補足いたします。保有するシャトー・ポンテ・カネ2010については、パーカーポイント100点の評価が発表された後のタイミングでの購入です。「評価が出る前に仕込んだ」形ではなく、高評価が確定してからの購入です、事実として。


2. 15年後、9本の現在価値を調べた

取得コストと現在参考価格の比較

現在手元にあるのは9本です(1本については後述)。2011年の取得コストと、2026年4月14日時点の市場参考価格を並べると以下のようになりました。

ワインVT取得コスト現在参考価格倍率
Ch.カロン・セギュール200910,815円22,000〜35,000円約2〜3倍
Ch.マレスコ・サン・テグジュペリ20099,555円約22,000円約2.3倍
Ch.ラ・ラギューヌ20095,880円約16,000〜17,500円約2.8倍
ドメーヌ・ド・シュヴァリエ・ブラン200910,395円約17,000〜19,000円約1.7倍
Ch.カロン・セギュール20109,660円約17,000〜22,000円約2倍
Ch.ポンテ・カネ201016,275円約49,000円約3倍
Ch.ポンテ・カネ201016,275円約49,000円約3倍
ドメーヌ・ド・シュヴァリエ・ブラン201010,395円約18,000〜19,000円約1.8倍
ドメーヌ・ド・シュヴァリエ・ブラン201010,395円約18,000〜19,000円約1.8倍
合計(9本)99,645円約229,000〜233,000円約2.3倍

現在参考価格は、国内通販価格・Wine-Searcherの掲載価格(USD/JPY≈159円換算)を参考にした参考値です。

アルセド監査官
アルセド監査官

一点、指摘させてください。上記の参考価格は小売購入価格をベースにした参考値であり、売却時の手取り額ではありません。オークションハウスやワインマーケットプレイスを通じて手放す場合、手数料や送料等が差し引かれるため、実際の手取りは評価額の80〜85%程度になります、事実として。

ポンテ・カネ2010が全体を牽引

9本の含み益を個別に見ると、シャトー・ポンテ・カネ2010の2本が際立っています。取得コスト計32,550円に対し、現在参考価格は計約98,000円。全体の含み益(約130,000円)のおよそ半分が、この2本に集中しています。

メドック格付け5級でありながら、2009年・2010年と2年連続でパーカーポイント100点を獲得したポンテ・カネは、現在では「格付け以上の実力」と広く評されています。購入時点でここまでの価格上昇を計算していたわけではありませんが、結果的には大きな収穫でした。


3. 売る・飲む・持ち続ける

売却を検討するなら

ボルドー格付けワインを個人が売却する場合、主な選択肢はオークションハウスへの委託か、ワインマーケットプレイスへの出品です。いずれも保管状況の証明(温度・湿度の管理記録など)が査定に影響するため、日頃からの記録が重要になります。

ただし現時点では、売却を急ぐ理由はありません。含み益は出ていますが、飲み頃ピークを迎えていない銘柄がまだ複数あります。

飲み頃から考える

各銘柄の評論家コメントを参照すると、カロン・セギュール2009は「2050年頃まで成長を続ける」との評価もある長期熟成型です。一方、ラ・ラギューヌ2009はすでに飲み頃ゾーンに入りつつある段階とされています。

ポンテ・カネ2010については「まだ非常に若く、本来の飲み頃は2030年代以降」という評価があります。売るにしても飲むにしても、焦る必要がない1本です。

持ち続けるための保管環境

現在は専用のワインセラーで保管しています。温度・湿度を安定させられる環境があることは、長期保有の前提条件として機能しています。当時の購入価格は76,783円でした。

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フクロウ博士
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ホー、kanato理事長!数字で見れば確かに「勝ち」ですな。しかしワインというものは、飲んでこそ完成する資産でもありますぞ。売って利益を確定するか、飲んで体験を完成させるか、熟成をさらに待ち続けるか——その答えを出す過程そのものが、豊かな資産構築の一部ですぞ。


おわりに

結果だけ見れば、プリムールは悪い買い物ではありませんでした。約10万円の取得コストに対し、15年後の参考評価額は約23万円。単純計算で2.3倍です。

ただ正直に言えば、「投資として勝ちに行こう」という計算があったわけではありません。おもしろそうな仕組みを見つけて、好きなワインを少し真剣に買ってみた……それだけです。

ひとつ白状しておくと、10本のうちシャトー・モン・ペラ2009は、最初から「飲む用」のつもりで選んだ安価な銘柄でした。置いておくだけではもったいない、と思っていたのですが、手元に届いてから試しに飲んでみたら止まらなくなり、気づけば全部飲みきってしまいました。資産として残っているのが9本なのは、そういう経緯があります。

残りの9本は、飲み頃を確認しながらラ・ラギューヌあたりから順に開けていく予定です。売るかどうかはまだ決めていません。続きはまたご報告しますね。

もはや動かすことすら怖い感じです。

それでは、良い資産構築ライフを!

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