【2026年版】ウイスキー投資1,000万円の実績公開|WhiskyInvestDirect出口戦略と保管料対策

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はじめに

こんにちは、kanatoです。

暗号資産やFXといった「デジタルの速い投資」を動かしていると、ふと「物理的な時間の重み」が恋しくなることがあります。私のポートフォリオにおいて、その役割を担っているのがウイスキー投資(WhiskyInvestDirect:WID)です。

WhiskyInvestDirectとは:

  • 英国の原酒投資プラットフォーム
  • 樽ではなくLPA(リットル・ピュア・アルコール)単位で取引
  • スコットランドの蒸留所で実物保管
WhiskyInvestDirect

本記事では、WIDで約1,000万円(※£1=200円換算)を運用する私の実績と、2026年の具体的な売却計画を公開します。

2026年1月末現在、評価額は約£49,715(約1,000万円)に成長し、含み益も£17,158(約345万円、購入額比+52.7%)に達しました。しかし、実物資産には「保管料」という維持コストがあります。1月末に保管料を支払い、口座残高はほぼゼロに。2026年は、ようやく10年熟成を迎える銘柄から利益を確定し、維持費を確保する年です。


💡 この記事の結論(3分まとめ)

評価額: 約£49,715(約1,000万円)、含み益£17,158(購入額比+52.7%)
現金枯渇: 1月末の保管料支払いで口座残高ほぼゼロ、維持費確保が急務
売却計画: Inchgower、Ardmoreなど10年熟成銘柄から£1,500の売却益確保
ポートフォリオ: Glen Moray・Glenlossie育成、Caol Ila縮小へ
出口ルール: 含み益40%超・1銘柄15%超・年利5%割れで売却判断
2026年の方針: ようやく10年銘柄が揃い、維持費を確保できる年に


1. 収支状況の整理:実物資産を維持する「コスト」の正体

ウイスキー投資は、時間が経つほど価値が上がる「低速のレバレッジ」が魅力ですが、維持コストが発生します。

現在の資産状況(2026年1月末時点)

項目金額備考
評価額£49,715.45約1,000万円
購入額£32,557.04手数料含む
含み益£17,158.37購入額比+52.7%
現金残高£122.71 → £5.231月末の保管料支払いでほぼ枯渇
保有量6,439 LPA

保管料(カストディ手数料)

年間の保管料: 約£1,400(月額£120 × 12ヶ月)

保管料率:

  • £0.218/LPA/年
  • £0.0545/LPA/四半期
  • £0.0182/LPA/月

計算:

6,439 LPA × £0.218/年 = £1,403.70(約£1,400)

年間で約29万円の維持費がかかる計算です。

これまでも保管料はポートフォリオ内の売却益で賄ってきましたが、ここ最近は買い板も薄くなってしまい売却できる銘柄がほとんどありませんでした。その結果、現金残高が年初で£122.71まで減少し、維持費の捻出が困難な状況です。

2026年は、複数の銘柄が10年熟成を迎えるので、それらの売却益で維持費を確保できる体制を整えます

2026年の目標

約£1,500の売却益(純利益)を確保

これまでもポートフォリオ内の売却益で保管料を賄ってきましたが、ここ最近は買い板が薄くて、売却ができず、現金が枯渇していました。1月末の保管料支払いで口座残高はほぼゼロとなり、維持費の確保が急務です。

2026年は、複数の銘柄が10年を迎えるため、売却益で1年分の維持費(約£1,400)を確保し、ポートフォリオを再び自走させたいと思います。

なぜ10年なのか:

  • シングルモルト表記は3年以上熟成が必要
  • 10年は市場評価がつきやすい節目
  • ボトラーからの需要が出やすい
  • オフィシャル10年ものの原酒として引き合いがある

売却益の定義:

売却益(純利益)= 売却額 − 購入額 − 保管料累計

※税金は考慮していません(WIDは英国源泉徴収なし。日本での確定申告が必要)


2. 具体的な売却実行プラン:板(リクイディティ)を読み解く

WIDのようなニッチな市場では、「いくらで売りたいか」よりも「いくらで今すぐ売れるか(買い板があるか)」が重要です。

用語解説:

  • Best Bids Price: 市場の買い手が提示している「今すぐ売れる価格」
  • Best Bids Volume: その価格で買いたい量(LPA)

ターゲットイヤー(熟成10年)を迎えた銘柄を中心に、以下の優先順位で実行します。

第1位:Inchgower(複数ヴィンテージ) 【即金化枠】

理由: 買い板(Best Bids)が比較的厚く、まとまった現金を作りやすい。

主な売却候補:

ヴィンテージ保有量Best Bids Price売却想定額
2016 4Q20 LPA£4.00〜£4.83約£80〜£97
2017 2Q30 LPA£3.50〜£4.01約£105〜£120
2017 4Q20 LPA£4.00〜£4.83約£80〜£97
2018 3Q50 LPA£3.70〜£3.78約£185〜£189
2019 2Q30 LPA£2.56〜£3.60約£77〜£108

アクション: 2016〜2019年の古いロット(合計150 LPA、売却想定額(売上)£450〜£610)を皮切りに、必要に応じて2020年以降のロットも段階的に売却し、まずは当面のキャッシュとして約£1,300を確保します。複数ヴィンテージに分散することで、市場への影響を最小化します。

※売却想定額は「売上」であり、ここから購入額と保管料を差し引いたものが「売却益(純利益)」となります。

Inchgowerの全ポジション:

  • 2016 4Q: 20 LPA
  • 2017 2Q: 30 LPA
  • 2017 4Q: 20 LPA
  • 2018 3Q: 50 LPA
  • 2019 2Q: 30 LPA
  • 2020 2Q: 50 LPA
  • 2020 4Q: 50 LPA
  • 2021 1Q: 100 LPA
  • 2021 4Q: 100 LPA
  • 2022 1Q: 130 LPA
  • 合計: 580 LPA

※Best Bids:市場の買い手提示額(今すぐ売れる価格)

第2位:Ardmore 2015 (3Q/4Q) 【整理枠】

ヴィンテージ保有量評価額含み益Best Bids PriceBest Bids Volume
2015 3Q20 LPA£222.40£84.62£3.00〜£4.53薄い(1〜7 LPA)
2015 4Q16 LPA£176.16£58.46£5.45〜£7.50薄い(1〜10 LPA)

理由: 2025年に目標の10年を超えた銘柄。

アクション: 買い板のVolume(厚み)が薄いため急がず、「指値(Offer)」を出して高めの価格で買われるのを待ちます。焦って安値で売らない忍耐が重要です。

第3位:Tullibardine 2016 2Q 【待機枠】

項目数値
保有量20 LPA
評価額£205.40
含み益£72.24(+79.7%)
Best Bids Price£2.37〜£5.00

理由: 2026年に10年を迎える銘柄。

アクション: 現在の買い板が弱いため、市場の熱量を見極めつつ、条件の良い時に利確を狙います。


3. ポートフォリオの再定義:次世代の「優等生」たち

売却を進める一方で、次に利益を運んでくれる銘柄の役割も整理しました。

主力銘柄の位置づけ

Glen Moray(グレン・マレイ):

  • 保有量: 630 LPA(複数ヴィンテージ合計)
  • 評価額: £3,840.63
  • 含み益: £965.85
  • 現在の比率: 7.7%
  • 役割: 次世代の中核候補・中期安定リターンの主軸
  • 戦略: 10〜12年熟成を目安に、シングルモルトとしての需要を狙う

Glenlossie(グレンロッシー):

  • 保有量: 570 LPA
  • 評価額: £3,226.20
  • 含み益: £665.00
  • 現在の比率: 6.5%
  • 役割: 次世代の柱候補・ブレンデッドのキーモルトとしての希少性
  • 戦略: オフィシャルボトルが少ないため、12〜15年までじっくり寝かせて「原酒不足」のタイミングを狙う長期戦

Caol Ila(カリラ):

  • 保有量: 500 LPA(2020 1Q)
  • 評価額: £10,150.00
  • 含み益: £7,560.30(購入額比+293%)
  • 比率: 20.4%(最大ポジション)
  • 含み益の集中: 全体の含み益£17,158のうち、£7,560(約44%)がCaol Ila
  • 流動性: 買い板が薄い(Best Bids Volume 約5 LPA程度)
  • リスク: 価格下落時の影響が大きい”集中+流動性リスク”
  • 方針: 買い板を見ながら段階的に圧縮し、他資産へ振り分けていく

私の決意:

Caol IlaはWIDにおける私のエースです。含み益の44%を占める最大の貢献者でもあります。しかし、「利確するまでが投資」。流動性の低さを考えれば、今のうちから出口を広げておく必要があります。

正直に言えば、Caol Ilaを手放すのは心理的に難しい。しかし、感情よりルールを優先します。

その他の主要銘柄

銘柄保有量評価額含み益方針
Inchgower580 LPA£3,340.03£851.3710年到達から順次売却
Kirkcowan770 LPA£4,364.84£558.54中長期保有
Benrinnes225 LPA£1,158.77£267.63中長期保有
Glen Elgin310 LPA£1,979.73£451.71中長期保有
Linkwood210 LPA£1,166.56£316.15中長期保有

4. 利確のルール(Exit Rule)

感情に流されず、資産を循環させるためのルールを策定しました。

ルール1:含み益40%超【利確の明確な基準】

一部の利益を確定させ、他資産(株・債券・暗号資産)へ還流させる。

該当銘柄:

  • Caol Ila: +293%
  • Bunnahabhain: +188〜343%
  • Ledaig: +165%

狙い: ウイスキー単体の利益最大化ではなく、「資産全体の循環」を目的とした戦略的利確です。

ルール2:1銘柄15%超【リスク管理】

特定の蒸留所に依存しすぎないよう、ポートフォリオを縮小。

現状:

  • Caol Ila: 20.4%(基準超過
  • Inchgower: 6.7%
  • Glen Moray: 7.7%
  • Glenlossie: 6.5%

対策: Caol Ilaを段階的に売却し、15%以下に調整

ルール3:年利5%割れ【成長鈍化の判断】

その銘柄の「成長期」は終わったと判断し、売却候補へ。

年利の計算式:

年利 = (評価額 − 購入額 − 保管料累計) ÷ 購入額 ÷ 保有年数 × 100

具体例:

  • 購入額:£100
  • 評価額:£120
  • 保管料累計:£5
  • 保有年数:3年
年利 = (120 - 100 - 5) ÷ 100 ÷ 3 × 100 = 5.0%

年利5%を下回る場合、熟成が進んでも価格が上がらない、市場の需要が低迷している、エンジェルズ・シェア(蒸発)の影響が大きいなどの理由が考えられます。


5. リスクと注意点

ウイスキー投資のリスクと注意点を挙げてみました。

ウイスキー投資のリスク

① 流動性リスク(現金枯渇)

  • 買い板が薄い銘柄は売却困難
  • 希望価格で売れない可能性
  • 10年未満の銘柄は売却できず、現金が枯渇するリスク
  • 保管料の支払いに追加資金が必要になる場合も

② 保管料の負担

  • 年間約£1,400の固定費
  • 含み益があっても現金が必要
  • 売却できる銘柄がなければ維持不可能

③ 市場変動リスク

  • 需要の変化で価格が下落
  • トレンドの変化

④ エンジェルズ・シェア

  • 熟成中に蒸発
  • 保有量が減少(WIDではあまり影響はないかもしれない)

⑤ カウンターパーティリスク

  • WhiskyInvestDirectの破綻リスク(FCA認可なのでおそらく大丈夫)
  • 実物引き出しの手続きが複雑

リスク管理の方針

① 銘柄分散

  • 複数の蒸留所に分散
  • 1銘柄15%以下を目安

② 維持費の自己完結

  • 売却益で保管料を捻出
  • 追加資金不要の体制

③ 板の確認

  • 売却前に買い板を確認
  • 流動性の高い銘柄を優先

④ 段階的な売却

  • 一度に全部売らない
  • 市場の状況を見ながら調整

まとめ

2026年のウイスキー投資戦略は、以下の3点に集約されます。

1. 維持費確保と回収の年

  • 1月末保管料支払いで口座残高ゼロ
  • 10年熟成銘柄の売却でキャッシュフロー正常化
  • £1,500の売却益(純利益)で1年分の維持費を確保

2. ポートフォリオの最適化

  • Caol Ila縮小(20.4% → 15%以下へ)
  • 次世代のGlen Moray・Glenlossie育成
  • 銘柄分散でリスク管理

3. 出口ルールの徹底

  • 含み益40%超 → 戦略的利確
  • 1銘柄15%超 → リスク管理
  • 年利5%割れ → 成長鈍化の判断

私のウイスキー投資の今後

私のウイスキー投資は、2026年から「維持費確保と回収の年」に入ります。

ここ数年、10年熟成に到達する銘柄が少なく、売却できずに現金が枯渇していました。しかし、2026年はようやく複数の銘柄が10年熟成に到達し、売却益で維持費を賄える”自走モード”に戻る年です。

  • 国内スワップやEAで作った「速いお金」
  • ウイスキーの熟成で育った「遅いお金」

これらが混ざり合い、補完し合うことで、総資産1億2,232万円のポートフォリオはより強固になります。

ウイスキー投資は予測ではなく、「熟成という設計図」に身を任せること。しかし、その設計図を維持するためのキャッシュフロー管理こそが、投資家としての腕の見せ所です。


おわりに

ウイスキー投資は「時間の資産」です。デジタル資産が秒単位で動く中、樽の中で静かに熟成する液体は、投資家に「待つことの価値」を教えてくれます。

しかし、「待つ」だけでは資産は維持できません。保管料という現実的なコストがあり、売却できる銘柄がなければ口座は枯渇します。

2026年は、ようやく「待った甲斐」が報われる年です。10年という時間を経た銘柄から、着実に維持費を捻出し、ポートフォリオを再び自走させる。Caol Ilaの集中リスクを解消し、Glen MorayとGlenlossieを次の柱に育てる。出口ルールに従い、感情を排除して淡々と売却する。

熟成は裏切らない。しかし、維持費と流動性を制する者だけが、ウイスキー投資を”資産形成の柱”にできる。

それでは、良い資産構築ライフを。

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