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クラウドファンディングの3割が現金のまま。償還は自動、再投資は手作業【2026年8月】

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はじめに

こんにちは、【kanatoの資産構築研究所】のKanatoです。

クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の2026年8月の運用レポートをお届けします。

今月の主役は、増え続けている待機現金です。SLの口座に置いたまま働いていないお金が 1,148,341円まで積み上がり、全体の 30.9% に達しました。年初は 8.4%、前回(2026年7月)の時点で 22.8% でしたから、8か月かけて3割まで来たことになります。

しかも、8月に新しく入れたお金はゼロです。待機現金が増えた 310,480円は、満期を迎えて戻ってきた元本と、受け取った分配金だけで説明がついてしまいます。償還されたお金は放っておいても口座に戻ってきますが、次の投資先を選ぶのは手作業です。この非対称が、待機現金を勝手に積み上げていく仕組みなのだろうと思います。

  • 数値の基準日:2026年8月1日 → 2026年8月29日(事業者ごとの口座残高を記録した時点)。同じ8月度でも、月次資産レポートなど他のレポートは8月31日を基準にしています。
  • 本記事は私自身の運用記録であり、特定の事業者・商品の推奨や投資助言ではありません。金額はすべて概算参考値です。
行き先が決まらないまま並ぶ事業者別の保管箱(2026年8月の待機現金)

1. 8月のSLポートフォリオ概要

アルセド監査官
アルセド監査官

私から、先に3つの数字を分けておきます。「全社合計」「運用中」「待機現金」は別物です。合計が増えていても、実際に働いているお金は減っていることがあります。

まず全体像です。

指標2026-08-012026-08-29増減
全社合計(運用中+口座内の待機現金)3,672,417円3,715,899円+43,482円(+1.18%)
運用中残高2,834,556円2,567,558円−266,998円(−9.42%)
口座内の待機現金837,861円1,148,341円+310,480円

合計は増えているのに、運用中は約9%減っています。減った分がそのまま待機現金へ移った、という動きです。

しかも、この3つの数字はきれいに閉じます。

待機現金の増加 310,480円 = 元本償還 266,998円 + 8月の手取り 43,482円

つまり、8月に増えたお金はすべて「戻ってきたお金」です。追加で入金した資金は0円でした。

事業者別に、合計残高(運用中+待機現金)を並べるとこうなります。

事業者2026-08-29 合計前回比内訳(運用中/待機現金)
バンカーズ(現行+旧CROWD CREDIT)1,486,470円+39,797円971,350円/515,120円
オルタナバンク844,110円+54円230,000円/614,110円
AGクラウドファンディング708,790円+2,332円700,000円/8,790円
クラウドバンク394,058円+781円386,119円/7,939円
CREAL151,100円±0円149,350円/1,750円
Funds131,371円+518円130,739円/632円
合計3,715,899円+43,482円2,567,558円/1,148,341円

前回比の列は、そのまま各社の分配金と同じ額になっています。新しい資金を入れていないので当然といえば当然なのですが、6社ぶんがきれいに一致すると、記録として気持ちのいいものですね。

2. 運用中 −266,998円の正体

運用中が約9%減っていますが、これは評価損ではありません。満期を迎えた案件の元本が、口座へ戻ってきたものです。

しかも今月は、動いた事業者が1社だけでした。8月1日と8月29日の運用中残高を社別に並べると、変わったのはバンカーズだけで、残る5社は据え置きです。

事業者2026-08-012026-08-29
バンカーズ1,238,348円971,350円−266,998円
他5社0円

バンカーズの中でも、減ったのは旧CROWD CREDIT分です。現行のバンカーズ口座のほうは、運用中残高が 519,780円のまま動いていません。旧CROWD CREDIT口座の入出金明細を見ると、8月の出資金の償還は 150,000円と 116,998円の2件で、合わせて 266,998円。運用中残高の減り方とぴったり同じでした。

この論点は前回のレポートで詳しく書いたので、今月は前提としてここまでにします。今月の本題は、こうして戻ってきたお金がどうなったか、のほうです。

3. 8月の分配金 43,482円(税引後)

アルセド監査官
アルセド監査官

私から、8月に受け取った分配を整理します。すべて税引後(源泉徴収後)・口座着金ベースの金額です。貸付型のソーシャルレンディングでは、分配金から 20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)が源泉徴収されます。

事業者税引後構成比
バンカーズ(2口座)39,797円91.5%
AGクラウドファンディング2,332円5.4%
クラウドバンク781円1.8%
Funds518円1.2%
オルタナバンク54円0.1%
CREAL0円0.0%
合計43,482円100%

税引後で 43,482円。前月の 30,699円から増えました。ただ、中身を見ると 9割以上がバンカーズ1社で、しかもその大半は償還と同時に入った分配です。インカムの厚みというより、資金が引き上げられるときの置き土産に近いかたちでした。

アルセド監査官
アルセド監査官

一点、指摘させてください。バンカーズの 39,797円は税引後です。税引前は 49,998円で、源泉徴収 10,201円が引かれています。割り算すると 20.40% になり、先ほどの 20.42% とわずかにずれますが、源泉徴収は案件ごとに計算して円未満を切り捨てるためです。8月のバンカーズは14件の入金があり、その切り捨てが積み上がった差になります。それから、オルタナバンクの 54円は、元本の返済を含まない利息の入金です。

CREALの0円は取り漏れではなく、8月は入出金そのものがありませんでした。運用中の 149,350円は継続保有中です。

4. バンカーズの年初来がプラスに転じた

前回、この欄で「バンカーズは年初来でマイナス」と書きました。2026年の元日から通算した分配額が −20,857円、つまり戻ってきた元本が預けた額に届いていない、という記録です。

8月を終えた時点で、この数字は +18,940円に変わりました。

時点バンカーズの年初来
2026-08-01(前回)−20,857円
2026-08-29(今回)+18,940円

計算は単純で、前回の −20,857円に8月の手取り 39,797円を足すと +18,940円になります。SL全体で見ても、年初来は +18,957円から +62,439円(+1.71%)へ伸びました。

アルセド監査官
アルセド監査官

一点、指摘させてください。これは「元本の毀損が解消した」という意味ではありません。年初から3度の償還(2月・3月・5月)で外貨建てファンド11本に生じた損失は確定済みで、取り消されたわけではないからです。今回の反転は、8月に受け取った分配 39,797円が、それまでのマイナスを上回ったというだけのことです。

言い換えると、傷が治ったのではなく、あとから入ったお金が傷を覆ったという状態です。外貨建て案件そのものの評価は、償還が進んで残高が減っていく過程を見ながら判断するしかないのだろうと思います。バンカーズの過去10年ぶんの記録は、バンカーズ全ポートフォリオレポート(2026年5月)にまとめてあります。

5. 待機現金が3割に達した

ここからが今月の本題です。

口座の中で眠っている現金は 1,148,341円。年初からの推移を並べると、増え方がはっきりします。

時点待機現金全社合計待機比率
2025-12-31(年初)292,814円3,500,191円8.4%
2026-08-01(前回)837,861円3,672,417円22.8%
2026-08-29(今回)1,148,341円3,715,899円30.9%

8月のひと月だけで 8.1ポイント、年初からは 22.5ポイント上がりました。金額でいえば、待機現金は年初の 3.92倍です。同じ期間に運用中の残高は 3,207,377円から 2,567,558円へ、639,819円減っています。

アルセド監査官
アルセド監査官

私から補足を。待機比率は「待機現金 ÷ 全社合計」で計算し、小数第3位を四捨五入しています。SLに置いてある資金の3割は、分配を生まない場所です、事実として。

さらに、この現金は均等に散らばっているわけではありません。

事業者待機現金構成比
オルタナバンク614,110円53.5%
バンカーズ515,120円44.9%
AGクラウドファンディング8,790円0.8%
クラウドバンク7,939円0.7%
CREAL1,750円0.2%
Funds632円0.1%
合計1,148,341円100%

構成比は小数第2位を四捨五入しているため、各行を足すと 100.2% になります。

上位2社だけで 1,129,230円、待機現金全体の 98.34% を占めます。そして、この2社は今年いちばん償還が進んだ事業者でもあります。

事業者運用中(年初 → 8/29)待機現金(年初 → 8/29)
オルタナバンク773,152円 → 230,000円46,865円 → 614,110円(13.1倍)
バンカーズ1,968,090円 → 971,350円18,572円 → 515,120円(27.7倍)

償還が進んだ事業者ほど、その口座に現金が溜まっている。これが今月いちばん見えた形です。

理由を考えると、たぶん単純な話で、償還は自動だからです。満期が来れば、こちらが何もしなくてもお金は口座に戻ってきます。一方で、戻ったお金を次の案件へ回すには、募集をチェックして、条件を読んで、金額を決めて、申し込む必要があります。入ってくる側は自動、出ていく側は手作業。この非対称がある限り、放っておけば現金は増えていく側に傾きます。

フクロウ博士
フクロウ博士

ホー、kanato理事長! これは意志の弱さの話ではないのですな。仕組みがそうなっている、というだけの話でしてな。川はほうっておいても池に流れ込みますが、池から水を汲み出すにはバケツが要りますぞ。バケツを持つ人が忙しければ、池の水位は上がる一方でしてな。

ただし、これを「誰がやっても再投資は滞る」とまで広げるつもりはありません。言えるのは、戻ってくるのは自動で、次を選ぶのは手作業という組み合わせになっている限り、構造上こうなりやすい、というところまでです。

6. なぜ8月のうちに埋まらなかったのか

前回のレポートで、待機現金のうち約33万円を別の事業者へ振り向けることを検討している、と書きました。結果からいうと、8月のうちには実行していません。

候補の選定に手が回らないまま、月が変わりました。8月に新しく入れた資金が0円だったのは、そういう理由です。「様子を見て見送った」のではなく、単に着手できていなかった、というのが実際のところです。

そのうえで、9月の方針としては新規のSL追加を見送ると決めました(2026年8月31日づけ)。インカム型のオルタナ資産は目標配分 10.00% に対して実績 1.90% と、8.10ポイント下回っています。それでも埋めにいかないのは、利回りの差だけを理由にSLを増やすのは順序が違う、と考えているからです。不動産やSLは、株式や債券と違って流動性・信用リスク・償還条件が案件ごとにばらばらで、配分表の数字を合わせにいく対象としては扱いにくい区画です。

この2つは、似ているようで層が違います。

8月9月
実務約33万円の再投資は着手できなかった
方針新規のSL追加は見送ると決めた

前者は手数の問題で、後者は判断です。この2つをひとまとめに「見送った月」と呼ぶと、手が回らなかったという事実が方針の陰に隠れてしまいます。

7. 次回までに決めること

待機現金は、放っておけば来月も増えます。実際、基準日のあと、9月1日にAGクラウドファンディングで 10万円が満額償還され、着金も確認できました。この記事の数値は8月29日時点なので表には入れていませんが、9月1日の着金確認後、待機現金は約125万円まで増えています。

そこで、次回のレポートまでに待機現金の置き場所を決めることにします。投資の実行そのものではなく、行き先の種類を決めるところまでを、次回までの宿題にします。選択肢は3つあると考えています。

  1. SL内で再投資する:現在の運用中はバンカーズが 37.8% を占めています。分散を進めるなら、比率の低い事業者から選ぶことになります
  2. SLの外へ移す:SL全体の損益は、年初からの8か月で +62,439円、率にして +1.71% です(単純に1年あたりへ直すと 2.6% 程度)。この水準なら、待機させたままにするより他の資産クラスへ移したほうが合う、という判断もあります
  3. 現金のまま置く:待機現金にも役割はあります。ただしその場合は「なぜ置くのか」を書けなければ、ただの放置と同じです

どれを選ぶにせよ、決めた理由とあわせて次回に記録します。

おわりに

8月のSLは、数字だけ見れば良い月でした。合計残高は +43,482円、分配は 43,482円、年初来も +62,439円。損益として見れば、マイナスの項目はひとつもありません。

それでも、記録として残しておきたいのは、戻ってきたお金がそのまま止まっているという事実のほうです。待機比率は3割に届き、その98%が2社に偏っています。償還は自動で、再投資は手作業。この非対称に気づかないままだと、運用しているつもりの資金がじわじわ現金に置き換わっていきます。

次回は、この待機現金(8月29日時点で 1,148,341円)の行き先を決めたうえでお届けします。

フクロウ博士
フクロウ博士

戻ってきたお金が悪さをするわけではないのですな。ただ、戻った先で止まっていると、それは運用ではなく保管でしてな。

アルセド監査官
アルセド監査官

はい。今月の記録は、戻ってきた資金がそのまま保管に回ったことを示しています。次は、この数字が減った理由を書ける月にしたいところです。

それでは、良い資産構築ライフを!

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