スワップアービトラージのポイント

原理自体は簡単なスワップアービトラージですが,実践する上でいくつかポイントがあります.今回はそれをご紹介したいと思います.

主なポイントは次の3点です.

1.FX業者の選定
2.ポジションコントロール
3.業者間の資金移動(リバランス)

それでは順次,ご紹介していきたいと思います.

 

FX業者の選定

まずはスワップアービトラージを行うFX業者の選定です.

大前提として

スワップアービトラージをする上で必要なFX業者は2種類あります.
ひとつはスワップを受け取る業者,もうひとつは逆にポジションを取って値動きをヘッジする業者です.

この方法は単純にスワップ受取業者と値動きヘッジ用業者のスワップの差益を取るので,スワップ受取業者のスワップ金利が値動きヘッジ用の業者より高い必要があり,スワップ金利の差が大きければ大きいほど,その利益は増えていきます.
しかし,普通のFX業者さんはプラスのスワップはマイナスのスワップより小さいことがほとんどなのでやはり業者の選択には少し苦労します.

 

便利なスワップフリー口座

また,海外FX業者の中にはイスラム口座(イスラム教の教義で利子を取ることが禁止されているので,スワップが付かない.)や単純にスワップの付かないスワップフリー口座を提供しているところもあります.
日本人でも口座を作ることができるところがありますので,うまく使うと非常に有効なのですが,別に取引手数料や口座維持費用を取られる業者もあるので,取引条件をよく確認する必要があります.
(もし気になるところがあれば,私から確認することもできますので,ぜひご連絡ください.)

 

スプレッドや資金の入出金も利益に影響することに・・・

さらに,スワップの他にもスプレッドや資金の入出金の費用も影響してきます.

これらは純粋に費用ですので,この分のマイナスからスタートになります.

そのため,スプレッドはできるだけ狭いところが良いのですが,変動スプレッドの場合はスリッページが気になる業者もありますので,固定スプレッドの業者の方が成績が安定するかもしれません.

入出金手数料については安ければ安いほどよいと思います.

 

ポジションコントロール

次はポジションコントロールです.

スワップ受取業者でプラススワップのポジション,値動きヘッジ用業者で逆のポジションを取るだけなのですが, いくつか注意する点はいくつかありますのでご紹介します.

 

ポジションサイジング

どんな戦略でもそうですが,所有するポジションサイズは非常に重要です.
狙う利益やその通貨のボラティリティにもよりますが,大体レバレッジ10~20倍くらいのロットが良いのではないでしょうか.
例えば,各口座の残高が1000ドルの場合,AUD/USDで10000通貨位(レバレッジ10倍)です.
これだと現在のレートを1.00000とすると±10%位の変動は持ち堪えられますので,スプレッド分を回収する前にロスカットなんてことにはなりにくいと思います.

 

ポジションを取る/手仕舞う時間帯

値動きの緩やかで,スプレッドも安定している時間帯にポジションをコントロールする方が良いと思います.

例えば,主要な市場のお昼休みの時間帯等などはレートの動きは緩やかで,スプレッドの拡大もそこまで気にならないのではないかと思います.

日本時間の早朝も値動きは緩やかですが,業者によっては朝スキャ対策でスプレッドが広がりますので,注意が必要です.

 

なお,この手法は2つの業者でポジションを取る必要があるので,瞬間的に片方のみポジションをとっている状態になります.

その間にレートが動いてしまえば,運がよければ利益になりますが,逆にレートが動くと 損失(費用)になってしまいます.

ポジションを操作する場合は取引ツールの設定などをよく確認して,迅速に処理できるように,できればデモ口座などで練習 しておくとよいですね.

 

ポジションを取る時期

影響力の大きい経済指標発表や要人発言の前は避けるべきです.特にレバレッジを高めにかけてポジションを取る場合は要注意です.

レバレッジ10倍くらいのポジションであれば,そこまで気にならないかもしれませんが,注意するに越したことはないです.

特にポジションサイジングは利益に直結してきますので難しいところですが,低リスクの投資ということを念頭に,適正なロットで望むべきだと思います.

また,ポジションは延々と持ち続けるのではなく,定期的に利益確定して,獲得したスワップをさらに複利運用すると投資効率が上がると思います.

 

業者間の資金移動(リバランス)

スワップアービトラージは値動き次第で口座残高の偏りが生じ,それを適正化するために,スワップ受取用業者と値動きヘッジ用業者の間で資金の移動がたびたび発生します.ここで重要なポイントは異なる業者間で資金移動した際にどれだけ費用(手数料など)を節約できるかです.

特に銀行送金で資金移動しているとかなり多くの手数料を取られてしまい,せっかくの利益が削られてしまいます.
(普通の銀行送金だと片道5000円位は平気で取られてしまいます.)

そんなときに便利なのが電子マネー決済サービスです.
ほとんどのFX業者さんは何らかの電子マネーに対応していることが多いですし,入出金手数料も無料でできるところが多いのではないでしょうか.

なお,主な電子マネー決済サービスは,改めてまとめて取り上げます.

為替手数料や使い勝手などを考慮すると,NETELLERやSkrillを利用するのが効率的です.

使用するFX業者はスワップの大小などを考慮しつつも電子マネー決済サービスとの組み合わせにも気をつけてを選ぶべきかと思います.

 

今回のまとめ

以上,今回はスワップアービトラージのポイントについて,ご紹介しました.

リスクはかなり低い手法ですが,利益を最大化するためのポイントがお分かりいただけたのではないかと思います.

いくつか記載しましたが,そのうちのいくつかは普通にトレードをするうえでも注意すべき点ですし,難しいことはほとんどないので,一つ一つ確認してみてください.

次回はスワップアービトラージを行う際のリスクをご紹介します.

 

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