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定期預金キャンペーンは税引後でいくら?100万円・300万円で検証【2026年7月】

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はじめに

こんにちは、【kanatoの資産構築研究所】のKanatoです。

シリーズ「金利1%時代の守り方」も、今回で完結編です。テーマは定期預金のキャンペーン金利。銀行のページに並ぶ「年1.27%」「年1.50%」といった数字は、たしかに数年前とは比べものになりません。ただ、その数字がそのまま手元に残るわけではありません。

受け取る前に税で約2割が引かれ、預入期間が半年なら年額の半分ほどになり、満期を過ぎればキャンペーン前の金利に戻ります。表示された年利は、この3つの割り算を通したあとで初めて他の選択肢と比べられます。

フクロウ博士
フクロウ博士

ホー、kanato理事長!見出しの数字をそのまま並べず、税・期間・満期後の3つでほどいてから比べるのですな。

この記事の数値は、すべて2026年7月30日時点で各社の公式ページを確認したものです。

1. 税で約2割引かれる

一般の課税対象となる国内の定期預金の利息には、20.315%の税金がかかります。内訳は所得税・復興特別所得税が15.315%、地方税が5%です。預貯金の利子は源泉分離課税で、支払いを受けるときに源泉徴収されて納税が完結し、原則として確定申告はできません(国税庁 タックスアンサー No.1310)。

つまり手元に残るのは表示金利の79.685%です。年1.00%の表示は、税引後で年0.79685%相当まで下がります。元本100万円を1年間・単利で預けた場合なら、税引前の利息が10,000円、税額が2,031円、税引後は7,969円です。

アルセド監査官
アルセド監査官

私から一点、指摘させてください。この20.315%は受け取るときに源泉徴収されて完結します。あとから申告して取り戻す余地は、原則ありません。

なお、障害者等の少額預金の非課税制度(マル優・元本350万円まで)や財形住宅・財形年金貯蓄(合計550万円まで)に該当する場合は、この課税の例外があります。ただし対象は一定の要件を満たす人に限られるため、多くの読者にとっては「原則2割引かれる」が出発点になります。

金融所得と税の全体像は金融所得と社会保険料の関係を整理した記事にまとめています。

2. 期間で割る——「年1.27%」は6か月だけの年利

次の割り算は期間です。夏のキャンペーンは6か月・1年といった短めの区切りで設定されるものが中心です。表示は年利でも、その金利が適用されるのは預入期間だけです。

auじぶん銀行の「夏の6ヶ月もの特別金利キャンペーン2026」(2026年7月13日〜8月31日)は、6か月ものの円定期預金に年1.27%(税引前)を適用します。同行が公式に示している計算例は次のとおりです。

100万円 × 1.27% × 184日 ÷ 365日 = 6,402円(税引前)
6,402円 - 税金1,300円 = 5,102円(税引後)

年1.27%という表示から受ける印象は「100万円で1万2,700円」かもしれませんが、実際に受け取るのは5,102円です。期間が半分で、さらに税で2割引かれるためです。しかも計算は「年額の1/2」と固定されるのではなく、預入日から満期日前日までの実日数を365日で割る日割りです。預入日によって数百円単位で変わります。

さらに、満期前に解約すると話が変わります。楽天銀行は定期預金の中途解約利率を「預入期間1年未満なら約定利率×5%」と公表しています。年1.20%の1年ものを途中で解約すると、適用されるのは年0.06%相当という計算です。UI銀行のように、中途解約利率が普通預金利率を下回る場合は普通預金金利を適用する、と定めている銀行もあります。

3. 満期後は、キャンペーン金利が続かない

3つ目の割り算が、この記事でいちばん見落とされやすいところです。キャンペーン金利は、最初の預入期間にしか適用されません。

auじぶん銀行の同キャンペーンは、満期日以降について「自動払戻し型なら所定の円普通預金金利、元利金継続型・元金継続型なら満期日以降の同一期間の所定の円定期預金金利」と明記しています。よくある質問でも、継続後は満期日時点の通常金利になると回答されています。注意したいのは、継続しても取引明細にはキャンペーン名が残る点です。名前が残っていても、金利は戻っています。

では戻る先はいくらか。同行が2026年7月30日時点で公表している通常金利は、6か月ものが年0.380%、普通預金が年0.310%です。

当初6か月満期後(6か月もの継続時)
適用金利(税引前)年1.27%年0.380%
100万円・184日の税引後利息5,102円1,526円
フクロウ博士
フクロウ博士

入口の高さではなく、1年後・2年後まで均した高さで見るのが肝心でしてな。

この落差を公式ページに並べて書いている例もあります。楽天銀行の「夏のボーナスキャンペーン」(受付は2026年7月31日まで)は、6か月ものの店頭金利が年0.375%(2026年5月21日時点)に対して特別金利が年1.00%、1年ものは年0.40%(同6月7日時点)に対して年1.20%と併記しています。UI銀行の「1年もの定期預金年1.50%キャンペーン」(2026年7月16日〜9月30日)も、年1.50%の内訳を通常金利1.10%+上乗せ0.40%と示し、上乗せは当初1年のみと明記しています。なおauじぶん銀行は1年もの(年1.30%・2026年6月1日〜8月31日)も並行して実施しており、こちらは通常金利0.51%に0.79ポイントを上乗せしたものだと公式に書いています。上乗せが当初1年のみである点は、6か月ものと同じです。

上乗せ幅はおよそ0.4〜0.9ポイント、しかも期間限定です。まとまった資金の置き場所そのものは、安全資産300万円をどう配置するかで整理した「層で分ける」考え方に戻ってきます。

4. 税引後 受取利息 早見表

元本を1年間・単利で預けた場合の税引後の受取額です。税率20.315%、税引前利息と税額をそれぞれ円未満切捨てとして計算しています。

年利率(税引前)元本100万円元本300万円元本500万円
1.00%7,969円23,906円39,843円
0.50%3,985円11,953円19,922円
0.30%2,391円7,172円11,953円
0.10%797円2,391円3,985円
0.02%160円479円797円
アルセド監査官
アルセド監査官

表示された年利ではなく、税引後の受取額まで落として比べる。ここが比較の起点です、事実として。

表の0.30%は、2026年7月30日時点のauじぶん銀行(0.310%)・楽天銀行(0.30%)の普通預金に近い値です。同じネット銀行でもUI銀行は0.40%、楽天銀行もマネーブリッジ利用時は0.38%と幅があります。いちばん下の0.02%は、金利がほとんど付かなかった時期の水準を比較のために残したもので、現在の金利を示すものではありません。

実際の受取額は、金融機関ごとの付利単位や端数処理で1〜2円ずれることがあります。また短期の定期は実日数で日割り計算されるため、年額をそのまま1/2・1/4にした金額とは一致しません。

5. 適用条件で消えるパターン

高い金利が出ていても、条件を満たさなければ適用されません。条件は「新規資金限定」ばかりではなく、銀行によって形が違います。

  • 操作の選択が要る型:auじぶん銀行はエントリー不要ですが、預入時の[利用可能なキャンペーン・プログラム]でキャンペーンを選ばないと通常金利になります。同行は6か月もの(年1.27%)と1年もの(年1.30%)を別のキャンペーンとして実施しているため、預入期間と選ぶキャンペーンの両方を狙う期間に合わせる必要があります。
  • 新規の預け入れだけが対象の型:UI銀行は口座を持っていれば誰でも対象ですが、期間中に「新たに」預け入れた分が対象です。期間中に自動継続された定期預金には適用されません。auじぶん銀行も同様に、期間中に満期を迎えて自動継続となる定期は対象外としています。
  • 総額で打ち切られる型:楽天銀行は、預入総額が一定額に達した時点で終了する場合があると明記しています。
  • 中途解約で消える型:auじぶん銀行は、満期前に中途解約した明細は特典の対象外になるとしています。

つまり「高金利の定期預金がある」ことと「自分がその金利を受け取れる」ことは別です。利息を計算する前に、対象になるかどうかと受付期間を先に確認する。この順番にすると、見出しの数字だけで判断する場面が減ります。条件は変更・中止もあり得るため、どの時点の情報かも合わせて控えておきたいところです。

6. 個人向け国債と並べる

シリーズ#1で扱った個人向け国債と並べてみます。財務省が公表している固定5年・第184回(2026年7月募集)の利率は年1.95%(税引前)、税引後では年1.5538575%です。100万円を1年保有した場合の税引後の利子は15,539円になります。

一方、この記事で見たキャンペーンの上限はUI銀行の年1.50%で、100万円・1年なら税引後11,953円です。数字だけなら国債が上回りますが、拘束の長さが違います。個人向け国債は原則として発行後1年経過後から中途換金でき、その際は直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。

アルセド監査官
アルセド監査官

源泉徴収される率はどちらも20.315%ですが、税務上の扱いまで同じではありません。預貯金の利子は源泉分離課税で申告できず、国債の利子は特定公社債として申告分離課税の対象で、申告不要も選べます。

一定の場合には、確定申告により上場株式等の譲渡損失と損益通算できる点も国債側の違いです。単純な手取りの比較なら同じ20.315%で足りますが、申告まで含めるならここを分けて考える必要があります。

なお2026年8月募集分(固定5年 第185回)の利率は8月5日発表予定で、執筆時点では未公表のため、直近の確定値である7月募集分を挙げています。国債側の比較は固定5年と変動10年をどう選ぶかに譲ります。

7. それでも定期預金が向いている場面

否定で終える話ではありません。使う時期が決まっている資金を、その時期まで置いておく——この用途なら定期預金は素直な選択肢です。半年後・1年後に使う予定があるお金を5年ものの国債に入れると、換金の手続きと目減りが後から効いてきます。

預金保険制度では、定期預金や利息の付く普通預金などの一般預金等は、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます(金融庁)。高い金利を追って1行に資金を集めると、この範囲を超えることがあります。

フクロウ博士
フクロウ博士

金利の高さより、そのお金をいつ使うかと置き場所の役割を合わせる。順番はそちらが先ですぞ。

証券口座の中に置いたままの待機資金をどう扱うかは待機資金の置き場所を比べた記事で整理しています。

おわりに

定期預金キャンペーンを見るときは、表示された年利を3回割ってから比べる。税で約2割、預入期間で按分、そして満期後は元の金利へ。この3つを通すと、年1.27%の6か月ものは100万円で5,102円、満期後は同じ100万円で1,526円という景色に変わります。

シリーズ「金利1%時代の守り方」で一貫して見てきたのは、守りの資産を一本に決めないという姿勢でした。国債・預金・現金の役割を分け、使う時期に合わせて置き場所を決める。金利が動く局面では、どれか一つが常に正解ということはなさそうです。物価の実感との差については体感インフレを扱った記事もあわせてどうぞ。

それでは、良い資産構築ライフを!

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