金・銀・プラチナが本当に輝くのは、暴落の翌朝かもしれない

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はじめに

こんにちは、【kanatoの資産構築研究所】のKanatoです。

「貴金属って、本当に必要なんですか?」

投資の話をすると、こんな素朴な疑問をまれに聞きます。株でも投資信託でもなく、利息や配当を生まない金や銀を積み立てることにどんな意味があるのか——正直なところ、私自身も最初はそう感じていました。

2026年3月、地政学リスクが急上昇した局面で、金(ゴールド)の価格が大幅に下落するという出来事がありました。「有事の金」という言葉があるにもかかわらず、です。そのニュースを見て「やっぱり貴金属はよくわからない」と感じた方もいたのではないでしょうか。

この記事では、なぜ貴金属を積み立てているのか、そして急落局面でも積立を続けた理由を、事実ベースで整理してみます。


1. 「有事の金」は神話か——2026年3月の急落が示したこと

従来の常識と、今回起きたこと

「戦争や世界的な危機が起きれば、安全資産である金を買え」——これは長らく投資の世界で語られてきたセオリーです。

ところが2026年3月、中東での地政学的緊張が高まった局面において、金価格は大幅に下落しました。一時的に上昇したものの、その後は下落が続き、短期間で歴史的ともいえる連続下落を記録しています。「有事の金」を信じていた人にとっては、かなり戸惑う展開だったはずです。

なぜ有事に金が売られるのか

この急落には、いくつかの構造的な理由があります。

まず、〈換金売り〉の問題です。市場参加者の多くはレバレッジをかけた運用をしており、相場が荒れると追加証拠金への対応で現金が必要になります。このとき真っ先に売られるのは、直前まで価格が上昇していた資産——すなわち金です。2020年のコロナショック時にも同様の現象が起きており、今回が初めてではありません。

次に、〈金利・ドル高〉の影響です。インフレ懸念による利上げ圧力が高まると、利息を生まない金よりも米国債などに資金が向かいやすくなります。ドル高が重なれば、ドル建ての金価格にはさらに下落圧力がかかります。

さらに、〈資金シフトの変化〉という潮流も見逃せません。従来「安全資産」として機能してきた役割の一部を、ビットコインをはじめとするデジタル資産が担いつつあるという見方が、一部で改めて注目されました。

アルセド監査官
アルセド監査官

補足いたします。日本国内の金価格は〔ドル建て金価格×ドル円レート〕で算出されます。円安局面ではドル建て価格の下落を一定程度相殺できますが、ドル建てでの下落幅が大きい場合は円建て価格も連れ安となります。短期の値動きと、長期的な価値保存機能は、切り離して考える必要があります、事実として。



2. それでも積み立てを続ける理由——長期・分散・円建て資産の補完

短期の値動きと長期の役割は別の話

金の長期的な実績を見ると、数十年スパンでは購買力の保存という観点で一定の役割を果たしてきた資産です。ただし、これはあくまで名目値ベースの評価であり、インフレ調整後の実質購買力との区別は必要です。

貴金属積立の最大の利点は「買い時を考えなくていい」という点にあると思っています。定額積立であれば、価格が下がったときに自動的に多く買える仕組みになります。2026年3月のような急落局面は、積立コスト(平均取得単価)が下がるタイミングでもあります。

日本人にとっての貴金属の意味

日本人の家計は、円建て資産(預金・日本株・日本の不動産)に偏りやすい傾向があります。貴金属はドル建てで評価されるため、円安が進む局面では円建ての資産評価額が押し上げられやすい特性があります。「外貨的なバリエーション」として機能する場面があるということです。

また、株式や暗号資産とは異なるリズムで動く資産クラスという点も、分散の観点では意味があります。ただし完全な逆相関ではなく、株と金が同時に下落する局面もある点は、過度な期待をしないためにも覚えておく必要があります。ポートフォリオに占める比率の目安として5〜10%程度が語られることが多いですが、個人の資産状況やリスク許容度によって異なります。

フクロウ博士
フクロウ博士

ホー、kanato理事長!金や銀というのは、何千年もの間、人間の信頼と欲望に支えられてきた資産ですぞ。株が泣いている夜に光ることもあれば、有事に売られることもある——それが貴金属という存在の〈個性〉というものですな。大事なのは、その個性を理解したうえで、ポートフォリオのなかに〈居場所〉を与えてやることですぞ!



3. 私の実践——月3万円・7:2:1配分の考え方

なぜ金7・銀2・プラチナ1なのか

私は毎月3万円を貴金属積立に充てており、配分は金7割・銀2割・プラチナ1割としています。

金(7割)を軸にしているのは、流動性と安定性のバランスが最も優れているためです。世界中で売買されており、平時も有事も「価値の基準」として機能してきた歴史があります。

銀(2割)は工業用途の需要が大きく、金に比べて価格変動が激しい面があります。金銀比価という観点では、金に比べて割安とされる局面もあり、長期積立のサブポジションとして保有しています。ボラティリティは最初から覚悟の上です。

プラチナ(1割)は希少性が高く、自動車触媒などの工業用途との関連が深い金属です。金・銀とは異なる需給の動きをすることが多く、ポートフォリオのアクセントとして少量持っています。

複数ルートで積立中

具体的なサービス名は省きますが、現在は複数のルートで毎月定額の積立を継続しています。「どのタイミングで買うか」を考えなくて済む仕組みにしてしまうことが、感情的な判断を排除するうえで有効だと感じています。

3月の急落局面でも、積立設定は変更しませんでした。「下がったから止める」のは、定額積立の本来の意義から外れるという判断です。


アルセド監査官
アルセド監査官

補足いたします。金・銀・プラチナはそれぞれ需給構造が異なります。金は中央銀行の保有需要や安全資産需要が価格を左右しやすく、銀は太陽光パネルや電子部品など工業用途の影響が大きい金属です。プラチナは自動車触媒、特にディーゼル車との関連が深く、EV普及の動向にも影響を受ける点は留意が必要です。なお、積立による長期リターンの評価は名目値であり、インフレ調整後の実質購買力との区別が必要です、事実として。


おわりに

2026年3月の急落が改めて教えてくれたのは、貴金属もまた「市場の一部」であるということです。有事だから必ず上がる、安全だから絶対に下がらない——そういった単純な話ではありません。

「貴金属が輝くのはどんな時代か」という問いに対する私の今の答えは、〈他の資産が大きく揺れているとき、長期の時間軸で見たとき〉です。短期ではその輝きが見えないこともある。でも、だからこそ積立という手段が機能します。

派手なリターンを狙う資産ではなく、ポートフォリオの一角を静かに担い続ける存在——そういう位置づけで、金7・銀2・プラチナ1の配分で、今月も変わらず積立を続けます。

それでは、良い資産構築ライフを!

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